KHK:1997/08/02
本編のストーリー紹介です。ネタばれそのものです。
解説によるとこの劇は、
ハイブリッド型SMV(スーパーマジックビジョン)
ハーフミラーを使って演技者とビデオ映像(アニメーション)、舞台セットを違和感なくひとつの世界に仕上げ、観客席を包み込みます。
というものだそうでして。アニメのキャラと役者さんが舞台上で共演する、という不思議な劇でした。
ちなみに出演者は2名だけで(化ける前?のこんひゃら、人間の少女)、他のキャラ(妖怪)は全てアニメでした。ではネタばれストーリー紹介です。
舞台に、キツネの妖怪こんひゃら(尻尾が二本ある白いキツネの妖怪・アニメ)が登場します。
「近頃の人間っておかしいよなぁ~。道で会っても挨拶もしないし・・・。お供えもしないからお腹ペコペコ・・」
そうボヤいていると、ふと何か思いついたようです。早速、幻影術を使うこんひゃらでした。こんひゃらを包んだ煙(アニメ)が消えた時、こんひゃらは人間の姿に変化していました(このシーンで、こんひゃらがアニメから生身の役者さん交代します)。
舞台に小学生の女の子ゆめ子(!EDの表記によると”ユメコ”じゃなくて”ゆめ子”でした。役者さん)が登場します。
「学校が終わった~。何をして遊ぼうかな~?」
と楽しそうにしている彼女の背後の空間に、突然コンピューターのモニターのようなものが映し出されます。そのモニターに表示された人型人工知能??(アニメ)が、いきなり彼女を厳しく叱責します。
「あなたには自由な時間などないのです。家に帰り、カリキュラムに従ってホームワークしなさい!」
「あなたはプログラムされているのです!」
ここは全てがコンピューターによって管理されている都市だったのです。
すっかり意気消沈し、トボトボと歩き出すゆめ子の前に、人間に化けたこんひゃらが
「遊ぼうよ!」
と声をかけます。しかしゆめ子は
「私、家に帰らなくちゃ・・・」
と元気なく答え、こんひゃらの前を通りすぎていってしまいました。
「ちぇっ、挨拶もしないで・・」
憤慨しているこんひゃらに、そっと忍び寄る者がいました。ねずみ男(アニメ)です。
「いや~~全く近頃の人間ときたら!」
ねずみ男は、馴れ馴れしくこんひゃらに声をかけ、うまく話を合わせていきます。そしてある話を持ちかけました。それはこんひゃらの幻影術を使って「コンピューター」とやらにイタズラを仕掛けてやろう、というものでした。
悪戯好きのこんひゃらは
「おもしろそうだねー!やろーやろー(^^)/」
と大乗り気です。
幻影術を使ってコンピューターの人工知能?に化けたこんひゃらは、どんどんデタラメな命令を出していきます。
「おいしい物を、どんどん持ってきて~!いらない物はいらないよ~」
こんひゃらの命令に従い、食料増産プログラムが始動を始めます。
そのすきに、ちゃっかり
「金目の物はこちらに持ってきて~」
と命令を出すねずみ男でした。
デタラメな命令により、結果的にゴミが増え続けていきます。
「廃棄物増加中。処理方法指示願います!」
コンピュターからの問いかけに、
「適当に海にでも捨てっちゃいなさ~い!」
といい加減な態度で答えるねずみ男でした。
こんひゃらとねずみ男、二人のデタラメな命令でますますコンピューターは暴走していきます。そこに再びゆめ子が登場します。
「どうしたの?どうしてゴミを海に捨てたりするの!?」
コンピューターに訊ねますが、もうコンピューターはゆめ子の言う事など聞こうともしません。
「コイツもいらないな」
と、いきなり電撃をゆめ子目掛けて発射してきました。悲鳴とともにゆめ子は逃げ出します。
逃げ出したゆめ子は、いつの間にか不思議な森に迷い込んでいました。そこは妖怪たちが住む森でした。
最初は驚いたゆめ子でしたが、すぐに森の住人である妖怪たちとうちとけていきます(妖怪はすべてアニメ)。
「あ、鬼太郎だ!」
ゆめ子の周りにいた妖怪たちが、口々に叫びました。ここで舞台左より鬼太郎(アニメ)が登場します。鬼太郎は妖怪とすぐに仲良くなったゆめ子に親しげに声をかけます。
「ゆめ子ちゃん、君には妖怪が見えるんだね。・・妖怪が見えるっていう事は、自然と会話が出来るっていう事なんだ。妖怪は、自然と人間の心が作り出したものだからね」(←覚えきれんかったがこんな感じのセリフ)
「よく分からないけど・・・。でも妖怪って楽しいのね!」
ゆめ子の言葉に、周りにいた妖怪たちも次々と
「そうだよ!楽しいんだよ!」
「死なないんだよ!」
「病気もないんだよ!」
「学校もないんだよ!」
「だから楽しいんだよ!」
と声をかけて消えていきました。
最後に残った鬼太郎は、
「君は妖怪の仲間だ。何かあったらこの笛を吹いて」
と言うと、赤い色のオカリナをゆめ子の方に放りました。ゆめ子がオカリナを受け取ると、鬼太郎は去っていきます。
(このシーン、鬼太郎が手に持っていたオカリナ←勿論その時はアニメ絵なのに、役者さんが演じているゆめ子の手に渡った瞬間、彼女の手に本物のオカリナが出現するトリックが分からんかったです。うーん、マジシャンだな、ゆめ子)
一方、海底では、次々海へと捨てられていく人間界の廃棄物の為に、日本海の主・龍王の怒りが爆発していました。
「おのれ人間どもめ!」
と、怒り狂い吠え猛る龍王の前に、妖怪・シュウシュウとトッケピが現れます(全てアニメ)。
「龍王さま、必ずや海にゴミを捨てている人間を捕まえてまいります」
日本にやって来たシュウシュウとトッケピは、こんひゃらを見つけて捕まえようとします。
慌てたこんひゃらは、偶然その場に通りかかったゆめ子を指して
「アイツがやった!」
と叫びました。犯人と誤解されたゆめ子は、そのまま龍王の神殿へと連れ去られてしまいます。ゆめ子は、鬼太郎からもらったオカリナを吹いて助けを求めました。
ゆめ子を助ける為、神殿に向おうとする鬼太郎の前にこんひゃらが立ちふさがりました。
「これからおもしろくなる所なんだから!」
そう言って、鬼太郎を行かせまいとするこんひゃらを、鬼太郎は毛針、そして
「つるべ火ーーっ」
という叫び声とともに指先から炎を発して追い払います(←指鉄砲を撃つのかと思った・・)。
竜王の神殿で、鬼太郎は龍王を説得します。
「ゆめ子ちゃんは心の優しい人なんだ。妖怪の心が分かる人間なんだよ・・!」
鬼太郎の説得に誤解を解いた竜王は、ゆめ子を解放してくれました。お礼の言葉をのべる鬼太郎・・・そこに影が忍び寄ってきます。それは、先ほど追い払われたこんひゃらでした。
油断していた鬼太郎は、こんひゃらが両手から放った不思議な光によってからめとられてしまいます。
「つっかまえた!~(^^)/」
こんひゃらは鬼太郎を狭い空間(コンピュターのモニターの中?)に閉じ込めて、自分も幻影術を使ってその空間の中に入り込み(ここでこんひゃらが役者さんからアニメに戻ります)そこで楽しそうに歌い始めます。
それを見た龍王は
「鬼太郎、そんな所でふざけおって!」
と誤解から再び怒り始めてしまいます。早く誤解を解かないと、大変な事になってしまう・・鬼太郎は、ゆめ子に向って叫びました。
「ゆめ子ちゃん、そこの妖怪灯台の中に妖怪バズーカ砲がある。それでこんひゃらの本体を撃つんだ!ゆめ子ちゃんには、邪悪なものの本質が見えるハズだっ!」
鬼太郎に言われた通り、ゆめ子は妖怪バズーカ砲を探し出して構えました。
こんひゃらは幻影の術で、自分の姿をいくつもあるように見せかけています。必死に本体を探すゆめ子ですが
「見えた!」
と、妖怪バズーカ発射!(ここで館内左手、舞台の脇から本物の光と煙が飛び出します)
懲らしめられたこんひゃらは、遂に正体を現しました。実はこんひゃらは九尾のキツネの子孫だったのです。
本来の姿に戻ったこんひゃらに、目玉親父は罰として汚した海の掃除を言いつけるのでした。
「その代わり、キチンと出来たらおいしい物を食べさせてやるよ」
その言葉に跳ね回って喜ぶこんひゃらでした。
そこに一反もめん(アニメ)がねずみ男を捕まえてやって来ます。
金目の物を袋に詰めて逃げていたねずみ男ですが、持ち出した物はすべて没収されて、やはり海の掃除を言いつけられます。ねずみ男は悲鳴とともにシュウシュウ&トッケピに連れ去られていきました。
そして、竜王の鬼太郎や人間に対する誤解も解けて、大団円~☆になります。
最後に鬼太郎、なぜか花びらの中から顔をのぞかせ(^^;ながら
「妖怪を見るって事は、そんなに大変な事じゃないんだ。どんな事にも素直な心を持つ事。そうすれば妖怪だけじゃなく、他にも大切な事が見えてくるんだよ」
と爽やかに!メッセージを言って劇は終わりました。
劇が終わると役者さんが再び舞台に登場します。そして
「心の扉をひらいて、こんにちは、おはよう、と優しい笑顔で答えたら、きっと何かが見えるはず」
というような内容の歌を歌うのですが、その歌に合わせて客席の横の壁に踊る妖怪たちのアニメが映ります。
最後に舞台の上の役者さんが
「さようなら~(^^)/」
と手を振り・・終了しました。
EDによると、本編の劇は「幻影妖怪こんひゃらと龍王の海」というのが正式タイトルらしいです。