第101話 言霊使いの罠!
■夕暮れ時、ふらりと現れるぬらりひょん
障子の影から、煙管をふかしつつ現れるぬらりひょん。
……あぁ、私やっぱりこっちの方が好きです。「妖怪王」の時は無理しまくりという感じで痛々しく見えてしまってたので……。
■500年前の約束、「先祖は先祖。私は嫌だ」
500年前の約束を果たしてもらう為に訪れたぬらりひょん。約束の証拠だという巻き物を見ながら「先祖は先祖。私は嫌だ」と、本当に嫌そうに答える一刻堂さんがちょっと可愛いかったです。
演じている京極夏彦さんも、声を荒げる場面以外では驚くほど自然な喋り方で「一刻堂」を演じているし……。凄いです。天は二物も三物も与えるのですね……。
一刻堂の顔を見て「これは陰陽道イカルガ(斑鳩?)流、言霊使いの一刻堂さん」と解説を忘れないぬらりひょん様、ないす(*^^*)v。
■学校の怪-妖怪ポスト
久々(やまたのおろち以来!!)に登場の人間三人組。
「学校に妖怪が出たって!」「それじゃ、早く鬼太郎さんに手紙出さなきゃ!」という会話があると思いきや「……じゃあ、手紙出してみる?」てな感じで、何とも冷めた雰囲気(^_^;。
■あれは罠だ!鬼太郎が危ねぇんだよ、仲間と一緒に助けに行けよ。
今回、ねずみ男の活躍があまりなくて残念でした。京極先生ならではのねずみ男の動かし方が見たかったです。
親父さんと二人だけで学校へと向かう鬼太郎、後を追いかけるねこ娘に忠告するねずみ男、という場面でのねずみ男のセリフ。
「仲間全員で鬼太郎を助けに行けよ……」
でもそれは、仲間もろとも一網打尽にしようとする一刻堂の仕掛けた罠に皆を誘き出す為。
「今回、オレは嘘をついた訳じゃない」と言うねずみ男、たやすく皆を口車にのせるうまさが光るなぁ。
■一刻堂の罠
学校で、一刻堂の放った式神に襲われる鬼太郎たち。
式神って、術をかけた物が別にあるから本体にはどんな攻撃も通じないのかぁ。なるほど。戦いの場面も迫力あって好き。
式神の秘密に気づき退治したものの、とうとう一刻堂の五芒星に身動きを封じられる鬼太郎たち。何でか屋上にその姿を現す一刻堂さんってば特撮ヒーローみたい?(^_^;(^_^;
■消えゆく記憶
一刻堂に「お前は誰だ?」と言われるが、自分が何者であったか思い出せなくなる仲間たち。
……恐いなぁ、自分の存在って何?なんて思うのは。
「私」と思える自分が存在しているから「私」がいるんじゃなくて、自分以外の誰かに「私」の存在を認めてもらえなきゃ存在できないってこと?
■言霊使いの放つ言葉は、全て真実になってしまう……
「この世に不思議なものなどない。だから妖怪など存在しない。ゆえにお前たちの存在などいらない」一刻堂の言葉の力で、次々と消滅していく仲間たち。
一刻堂に言わせると、あれが「真実の姿」なんだそうですが、ぬりかべや一反もめんが次々と「ただの石の壁」や「布切れ」になってしまう場面、見ていてすっごく悲しかったです。妖怪って元は人間の想像力が生み出したものだから、その人間に存在を否定されたら消えていくしかないのかな……。
さぞ現代は住みにくい時代だろうなぁ、EDでもそう歌っていたっけ……。
■「僕は幽霊族の鬼太郎だ!」
なす術もなく、一刻堂の言うがままに姿を変えられてしまう仲間たち。鬼太郎も、もう自分の存在に確信が持てなくなっている。
その時、その様子を小躍りしつつ見ていたぬら様&朱の盆の口から出た「鬼太郎」という言葉に、ハッと我にかえる鬼太郎、鬼太郎は自分の名前を名乗る事で、確かに存在している事を証明する。そして次々に仲間の名を呼び、一刻堂に存在を否定された仲間たちを元の姿に戻していく。
↑もー、このまま鬼太郎まで存在を消されてしまうのか!とハラハラしていただけに、この逆転劇は実に爽快でした!
■戦いの終り
元々はぬらりひょんと自分の先祖の交わした約束を守る為、鬼太郎たちを祓おうとした一刻堂。この失敗はアイツら(ぬら様&朱の盆)のせいだから、約束は一応果たした事になる、と鬼太郎たちとも和解する。
妖怪だからって全てお祓いの対象にはならない、この世には少しくらい不思議な事が残っていてもいいって……このラストは好きだな~。